リースバック vs リバースモーゲージ。賢い選択のポイントを解説

高齢者の資金調達手段として、リースバックとリバースモーゲージという2つの選択肢があります。どちらも自宅を担保に資金を得られる点では共通していますが、仕組みや特徴には大きな違いがあります。今回は、リースバックとリバースモーゲージの違いに焦点を当てながら、それぞれのメリットとデメリット、利用する際の注意点などを詳しく見ていきましょう。

リバースモーゲージとの比較で理解するリースバックの特徴

リースバックとリバースモーゲージは、どちらも自宅を担保に資金を調達する方法ですが、その仕組みには大きな違いがあります。

  • リースバックは自宅を売却し、同時に買主から自宅を借りて住み続けるのに対し、リバースモーゲージは自宅の所有権を手放さずに、担保に入れて融資を受ける点が異なります。
  • リースバックでは一時金が手に入りますが、リバースモーゲージは年金形式で資金を受け取ることができます。
  • リースバックは家賃支払い義務が発生しますが、リバースモーゲージには返済義務がありません。
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リースバックとリバースモーゲージ、どちらを選ぶかは資金の必要性や将来設計によって変わってきます。自分に合った選択をすることが大切ですね。

以下の表でリースバックとリバースモーゲージの主な違いをまとめました。

リースバック リバースモーゲージ
自宅の所有権 手放す 手放さない
資金の受け取り方 一時金 年金形式
返済義務 家賃支払い義務あり なし

一時金が必要な人にはリースバックがおすすめ

まとまった資金を一度に受け取れるリースバックは、大きな買い物や借金の返済など、一時的に多額の資金が必要な人におすすめです。リバースモーゲージのように毎月少しずつ受け取るよりも、目的に合わせて自由に使える点が魅力と言えるでしょう。

ただし、自宅を売却してしまうため、子供に自宅を残したいと考えている人には向きません。将来的な資産形成を優先するなら、リバースモーゲージの方が適しているかもしれません。

リバースモーゲージならではの利点と注意点

自宅を手放さずに資金調達できるリバースモーゲージ

リバースモーゲージの最大の利点は、自宅の所有権を手放さずに資金調達できることです。亡くなるまで自宅に住み続けられるうえ、融資を受けた資金の返済義務もありません。金融機関に自宅を担保に入れるだけで、自宅を売却する必要がない点が、リースバックとの大きな違いと言えるでしょう。

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リバースモーゲージは自宅を売らずに資金を得られる魅力的な選択肢ですが、金利負担や融資限度額など、事前にしっかり確認しておく必要がありますよ。

ただし、リバースモーゲージにはデメリットもあります。

  • 融資金額には上限があり、自宅の評価額の一定割合までしか借りられません。
  • 金利負担が発生するため、受け取る年金額が徐々に減っていきます。
  • 契約期間が長期にわたるため、途中解約すると多額の違約金が発生する可能性があります。

リバースモーゲージを検討する際は、これらのデメリットもしっかり理解したうえで、自身の状況に合うかどうかを見極めることが大切です。

リースバックとリバースモーゲージ、どちらを選ぶべき?

リースバックとリバースモーゲージはどちらも一長一短があるため、どちらを選ぶべきかは人それぞれ異なります。自身の状況や目的に合わせて、メリットとデメリットを比較検討することが重要です。

選択する際の視点としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 今すぐまとまった資金が必要かどうか
  • 自宅の所有権を手放してもよいかどうか
  • 老後の生活資金をどう賄うか
  • 子供への資産継承をどう考えるか

これらを総合的に判断したうえで、自分に合った選択をすることが大切です。

フィナンシャルプランナー

専門家に相談しながら、自分に合った方法を選びましょう。老後の生活設計は一人一人異なるので、慎重に検討することが重要ですよ。

最後に、リースバックやリバースモーゲージの利用を検討する際の大まかな流れを見ていきましょう。

STEP
1

老後の生活設計を考える

STEP
2

リースバックとリバースモーゲージのメリット・デメリットを比較検討

STEP
3

専門家に相談して、自分に合った方法を選択

老後の資金調達は人生の大きな岐路です。自身の将来設計をしっかりと見据えたうえで、リースバックやリバースモーゲージのメリット・デメリットを十分に理解し、専門家のアドバイスも参考にしながら、納得のいく選択をすることが肝要でしょう。単に目先の資金繰りだけでなく、長期的な視点を持って判断することが大切です。

事例1(山田さんの場合)

65歳の山田さんは、老後の生活費を確保するために自宅をリースバックすることを検討しています。山田さんは子供がおらず、自宅を残す必要性を感じていません。また、趣味の旅行に行くための資金も必要としています。

フィナンシャルプランナー

山田さんの場合、リースバックを選択することで、まとまった資金を得られるうえ、自宅に住み続けられるというメリットがありますね。ただし、家賃の支払いが発生することは忘れずに。

山田さんの状況 リースバックのメリット リースバックのデメリット
・老後の生活費が必要
・子供がいない
・旅行資金が欲しい
・まとまった資金が得られる
・自宅に住み続けられる
・家賃の支払いが発生する
・自宅の所有権を手放す

事例2(鈴木さんの場合)

70歳の鈴木さんは、毎月の生活費を補うために、リバースモーゲージを利用することにしました。子供が2人いるため、できれば自宅は残しておきたいと考えています。

フィナンシャルプランナー

鈴木さんのように、自宅を子供に残したい場合はリバースモーゲージが適しています。ただ、融資額の上限や金利負担には注意が必要ですね。返済不要なのは大きなメリットです。

鈴木さんの状況 リバースモーゲージのメリット リバースモーゲージのデメリット
・毎月の生活費が不足
・子供が2人いる
・自宅は残したい
・自宅を手放さずに資金調達可能
・返済不要
・融資額に上限がある
・金利負担が発生

事例3(佐藤さんの場合)

75歳の佐藤さんは、介護費用が必要になったため、リースバックとリバースモーゲージのどちらにするか悩んでいます。子供は独立していて、自宅は古くあまり価値がありません。

フィナンシャルプランナー

佐藤さんの場合、介護費用というまとまった資金が必要な状況では、リースバックの方が適しているかもしれません。ただ、自宅の価値が低いと、リースバック後の家賃負担が大きくなる可能性も。よく検討しましょう。

佐藤さんの状況 リースバックの場合 リバースモーゲージの場合
・介護費用が必要
・子供は独立済み
・自宅の価値は低い
・まとまった資金が得られる
・家賃負担が大きくなる可能性
・融資額が少額になる可能性
・金利負担が発生

このように、リースバックとリバースモーゲージのどちらを選ぶべきかは、個人の状況によって異なります。まとまった資金が必要か、自宅を残したいか、自宅の価値はどのくらいかなど、様々な要素を考慮する必要があるでしょう。

フィナンシャルプランナー

リースバックとリバースモーゲージ、どちらも一長一短あります。専門家に相談しつつ、メリット・デメリットをしっかり理解して、自身の状況に合った選択をするのが賢明ですよ。

事例を見ても分かる通り、リースバックとリバースモーゲージの選択は、資金の必要性、自宅の価値、相続の意向など、様々な要因によって変わってきます。画一的な答えはなく、一人一人が自身の状況をよく見極めたうえで、それぞれに適した方法を選ぶことが肝要です。

迷ったら、専門家に相談するのも一つの方法でしょう。ファイナンシャルプランナーや不動産の専門家などに、自身の状況を伝えて、アドバイスをもらうことをおすすめします。大切なのは、十分に情報を集めて理解したうえで、納得のいく選択をすること。それが、安心できる老後につながるはずです。

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